2004年を振り返って

 早いもので、今年も残すところあと1ヶ月となりました。ここ数年、仕事の量は増え続け、忙しさも増す一方なのですが、不思議と1年が過ぎるスピードは年を追うごとに速くなっているような気がします。「このままではあっという間に年齢を重ねてしまうのではないか……」そんな恐れを感じつつ、明確な目標設定をすることの必要性を痛感している今日この頃です。
 思い返せば2004年は「どん底」からのスタートでした。特集部分を担っていた月刊誌『学校経営』(第一法規)が休刊、そして約4年に渡って記事を執筆してきた『教育とパソコン』(富士通)の発刊中止。その他、プライベートでのトラブル等も重なり、精神的にも非常に厳しい状況でした。昨年の年末年始は、そんな沈みこんだ気持ちを払拭すべく義兄とスキーに行き、夜な夜な酒を飲みつつ「今年は新たな仕事を開拓しまくるぞ!」と息巻いていたことを懐かしく思います。
 でも「捨てる神あれば、拾う神あり」です。2004年度は、自ら科した「開拓」「営業」という言葉が空しく響くほど、外側から様々な仕事が舞い込んでくる幸運な1年でした。改めて、私ほどラッキーな人間はいないと痛感する次第です。
 まず、1月には東京都足立区教育委員会から区立五反野小学校のCD-ROMの制作を打診され、随意契約を受けることができました。同校は、ベネッセ出身の三原徹氏が校長を務め、「学校理事会」の実践に取り組むなど、全国的にも注目される学校です。実践紹介VTRや三原氏のインタビューを収めたこのCDは今年3月に完成し、「2004年度版」も引き続き契約を受けて、現在鋭意制作を進めている段階です。
 また、4月には第一法規に提案していた加除式(バインダー式)書籍『特色ある学校づくり』の企画が通り、帝京大学の佐藤晴雄先生、富山大学の堀井啓幸先生、多くのライターの方々と共に、約500ページにも及ぶ書籍の制作を手がけることができました。この書籍は、追録(追加情報)の制作も引き続き弊社で担うことになっており、今後の会社の「柱」になるものとして、期待しております。
 また、2月には音楽之友社『教育音楽』編集部とのつながりができ、単発ながら数回に渡って記事を書かせていただくことができました。その実績をご評価いただき、2004年4月からは、特集部分の企画・制作も担当させていただく方向で、現在話が進んでおります。
 その他にも、「大学プロジェクト」の記事執筆(朝日新聞)、「子ども落語」の企画、『環境条例ナビ』(第一法規)の例規検索システムの制作など、新たな仕事を手がけることもできました。
 また、11月にはフリーライター時代のつながりから、UD(ユニバーサルデザイン)のメールマガジンの編集を弊社で担わせていただくことが決定いたしました。UDとは、「できるだけ多くの人が利用可能であるように、デザインされた製品、建物、空間」などのことで、「バリアフリー」をさらに進化させた概念として、近年多くの企業が注目しています。スタートは来年1月ですが、大学時代、心身障害学(障害児教育)を専攻し、障害者ボランティア活動に携わっていた経験を生かし、少しでも充実したメルマガを作成していきたいと考えております。
 2004年は、新たな「出会い」が数多くあった年でもありました。出版社、編集プロダクション、ライター、映像制作、コンピュータのシステム開発、イベント制作など、幅広い分野の方々と出会い、貴重なつながりを作ることができました。2005年度は、こうした方々の持つ様々な「力」を結集し、新たな企画を作り出すことが、私自身の大きな課題であると考えています。

〔2004.12.1 弊社代表・佐藤明彦〕