飯田橋という場所

1226.jpgうちの事務所は、JRと地下鉄の飯田橋駅から歩いて2~3分の所にある。飯田橋は、山手線が描く円のほぼ中央に位置し、都内の要所にはいずれも30分以内で行くことができる。事務所を構える上で、これほど便利な所は無いと、我ながら自負している。

そんなアクセスの良い場所にも関わらず、飯田橋の不動産物価は、思いのほか安い。同じ条件の物件を溜池や青山で探すと、大よそ1.5倍ほどの値がつく。私にはその理由が解せないが、「利便性の問題よりも土地のブランド価値の問題」と、とあるコンサル会社の方が話していた。青山にオフィスを持つことは、多くの起業家にとっての憧れであり、ステータスであるのだという。

そういえば、数年前に「青山に仮事務所を設置しませんか?」と書かれたチラシが、会社のポストに入っていた。「仮事務所」とは、住所だけそこに移転し、あたかも「本社=青山」のように見せかけるというものらしい。そんな事まで望む人が果たしているのかと思ったが、需要は少なからずあるらしい。もはや見栄以外の何ものでもないと、私は思う。

飯田橋には、青山や溜池のようなブランド価値はないのかもしれないが、私はこれほど便利で魅力的な街はないと思っている。だから、もっと飲食店を開拓するなどして、この街と仲良くなりたいと考えている。だが、最近は忙しさばかりが先立ち、なかなかそれが実践できていない。そんな状態が何とももどかしい。

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