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私の手元に届くメールの数は、1日平均で60通前後。いわゆるスパムメールや広告メールの類を含めると、その数は100通近くにも及ぶ。だから、丸1日会社を留守にして夜に戻ってくると「受信中87件」といった表示がなされ、1日の疲れがどっと出るほどにげんなりしてしまう。とは言え、きっと世の中には、私なんかより遥かに多くのEメールを受信している人がいるんだと思う。
私がパソコンを初めて購入し、メールを始めたのが97年の4月。この時は、自分に届くメールに興奮し、知り合いにアドレスを聞いて発信しまくっていたことを記憶している。帰宅してパソコンを開き、メールが届いていると喜び、「新着メッセージなし」が表示されるとがっかり…という一喜一憂を繰り返していたように思う。今となっては懐かしい話である。
現在はまったくの逆。メッセージの数が少ないほどに安堵感を覚えるというのが正直なところで、沢山届いていると「面倒くさい」とネガティブな気持ちを抱くようになってしまった。本当は喜ばしいことのはずなのに、何だかちょっと寂しい話である。
思い返せば子どもの頃、自分に届く年賀状の数が両親や姉・兄よりも少なく、「悔しい!いつか一番多くなってやる!」と思っていたもんだが、恐らく一番多くなった今では、「何とか、もっと少なくならないもんだろうか…」と、まったく逆のことを考えるようになった。人間の気持ちや欲望とは実に自分勝手なもんだと、我ながら呆れてしまう。
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