一文の長さ

060324.jpg今から3、4年前の話になるが、ライターの方々との飲み会で「一文の長さ」に話題が及んだ。あるライターさんは「一文は短く。簡潔に書く方がいいに決まっている」と言い張り、あるライターさんは「短くしすぎると、かえって分かりにくい」とまくし立てた。30分ほどその話題で盛り上がったが、なかなか興味深い議論だったように記憶している。

言うまでもないが「一文の長さ」とは、句点(。)で区切られるまでの文の長さのことである。これが長い方が読みやすいか、短い方が読みやすいかは、文壇界等でも長らく議論されてきたが、これと言った結論が出ているわけではない。掲載するメディア(新聞、雑誌、単行本、インターネット)、執筆するジャンル(小説、エッセイ、コラム、ルポ)、読者対象(子どもor大人、一般人or専門家)などによっても、良し悪しは分かれるに違いない。短い文章、長い文章は、その人の「個性」という見方だってできる。

ただ一つ言えることは、いろんな要素を詰め込んでいて、読んでいる人間の思考を右へ左へ振り回し、ちょっと居心地が悪いような、あるいは余計な情報まで入れ込んでつながりが悪くなっているような、そんな文章を書いてしまうことは、極力避けた方が得策ということである。
(↑まさにこんな文章)

一方で、長いけど読んでいて苦痛にならない文というのも、確実に存在する。そうした文章が書ける人こそが、頭の中にきちんとした理論構築がなされている人なんだろうと思う。

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