伝統

060512.jpg今から半年くらい前に仙台へ行ったとき、久々に昔住んでいたアパートへ足を運んでみた。雨漏りがするほどボロだった古アパートは改築が済んで小奇麗になり、近所にはラーメン屋ができるなど周囲の風景も少々様変わりしていた。思えばここに住んでいたのは、かれこれ11年も前のこと。周囲の様子が変わっていない方がおかしい話なのかもしれない。

ふと、私が当時よく行っていたコンビニに行ってみた。そこでジュースを1本棚から取ってレジに。会計を済ませると、店員さんが「ありがとうございまっした」と礼を言ってくれた。「まっした」のあたりに何となく特徴がある、何とも不思議なイントネーションだった。

ふと思い出したのだが、この不思議なイントネーション、そういえば11年前もこのコンビニで買い物をするたび、同じような挨拶をされていたような気がする。もちろん、11年前の店員さんと今の店員さんはまったく別人物。ただ「まっした」独特のイントネーションだけは、紛れもなく当時の言い方をそのままだった。

この店のオーナーがそういう言い方をするのか、あるいは代々後輩が先輩の挨拶を真似る中で、そんな言い方が受け継がれてきたのか。真相は不明だが、小さな伝統が続いていることに、なぜかちょっと嬉しくなった。

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