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世間は「けしからん!」と叩きまくっているようだが、私には今ひとつピンと来ない。なぜにして、そこまで非難されなければならないのだろうか。日本の金融システムの構造から考えると、やはりマズイことなんだろうか。日銀総裁・福井氏の「村上ファンド運用」である。
もし、福井氏が村上ファンドの不正を知りながら投資していたならば、あるいは公金を利用して運用していたならば、責められて当然である。だが今回の一件は、福井氏個人が、個人のお金をとあるファンドで運用し、運用益を上げたというだけの話。そのファンドがインサイダー取引で摘発されたからと言って、なぜに投資をしていた人まで責められなければならないのだろうか。
例えば、私が競馬で大儲けをしたとする。後日、そのレースが八百長だったと分かったとしても、私に何ら責任はなく、その金を返す必要もない。責められようものなら、「悪いのは中央競馬会、なぜに俺が責められるのか!」と、私は声を荒げるに違いない。
要は「公人たる立場の者は何事においても慎まなければならない」との話なんだろう。朝日新聞の社説も、「不正」として追及する素材が不十分なのが分かっているのか、「世間に批判されるようなことならやるべきではない」と、かなり歯切れが悪かった。
結局、経済的に恵まれた人間への「嫉妬」や「コンプレックス」が、こうした出来事を大きく報道させているのだと思う。例えれば、ちょっとカッコいい靴を履いてきたり、高級なおやつを遠足に持参してきたりする子に「ルール違反だ!」とクラスが騒ぎ立てる現象と同じなんだろう。何だか、世間の懐が狭くなっているような気がして、少々寂しく思う。
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