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そんな言い方をされてしまったら、見てくれの良くない男はどうしてくれるんだ!・・・と言いたくなるようなタイトルの本だが、世間的にはベストセラーになっているそうなので、一応は読んでみることにした。竹内一郎著の『人は見た目が9割』。読後の率直な感想は、「何でこんなタイトルを付けたんだろう」というものであった。
竹内一郎氏は舞台演出家であり、漫画の原作なども手がけている。そんな人物が本書のテーマとしているのは、「見た目」の問題よりも、むしろ非言語によるコミュニケーションの手法や構造についてである。日常のコミュニケーションや演劇の表現手法、漫画のコマ割りなどを例にあげ、いかに非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)が人間の認識や行動に作用しているかを、分かりやすく解説している。
言ってみれば、私が学生時代に研究していた知覚心理学にも相通ずる書籍で、興味深く読むことができた。個人的に、タイトルには不満があるが、おそらく営業的には大成功なんだろう。それにしても新潮新書は、この手のインパクトのあるタイトルの本が多い。
本も売れなければ意味がないということか。
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