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会社を辞め、会社を立ち上げたことで、実にさまざまな世界を垣間見ることができたが、一方で大きな壁を感じてしまう瞬間もある。一番の壁は、「肩書き」に付随するものだ。「コンテクスト」という、聞いたこともない会社が相手から信頼を得るためには、会社員だった頃とは比べ物にならないほどのエネルギーを要する。
当たり前だが、「営業」等で初対面の人と会うと、最初のうち相手は「この会社に頼んで大丈夫だろうか」と半信半疑でこちらの様子を伺う。ある程度心を許してくれるのは、会社の実績や成果物を示し、私と一定時間の会話をしてくれた後のことである。もし、名の知れた企業の社員なら、名刺を見せただけで、相手が前のめりになってくれることもある。もちろん、コンテクストの名刺を持って以来、そんな経験をしたことはない。
自営業者には、小さな刀一つで数千人の敵陣に乗り込むようなパワーと度胸が必要になる。面白さややり甲斐もある反面、悔しさに打ちひしがれることも多い。逆に、名の知れた企業の名刺は、最新型の戦車にも匹敵するだろう。悲しいかな、会社勤めしていた頃の私には、その戦車の使い方が分からなかった。ふと、今の自分に戦車があれば…と思ったりする。
by obata① :2006年08月26日 10:06
ふむふむ実感ですね。武器は専門性という刀だけですからね。この武器の切れ味をどこまで高められるか、は返すところ自分の人生をあらゆる意味で豊穣にしてくれるものだとも思います。
by satoh :2006年08月26日 18:28
obata①さん、戦車をフル活用されていた方だけに、よくご理解いただけるようで嬉しいです。戦車をねだっても誰かがくれるわけでもないですし、今後も自らの武器を磨くことに精進したいと思います。