勇気を持って

061027.jpg今から7年前、転職活動をしているときに、知人の紹介でスポーツ雑誌の編集者と会った。その人から「近々に編集部に欠員が出るので、興味があればやってみないか」との話を切り出された。夢のような話に小躍りしたが、その後、彼に連絡を取っても「忙しい」の一点張りで、相手にしてもらえなかった。事情が変わったのだろうが、きちんと説明さえしてもらえないことに腹立たしさだけが募った。

これとは別に「スポーツ新聞の編集員をやらないか」との話もあった。だが、こちらも実現する直前で話が暗転し、実現することはなかった。すでに退職を決めていた私の前に残ったのは、大して興味もないゲーム雑誌への編集員という道のみ。夢から覚め、厳しい現実だけが目の前に横たわった。

当時は、甘い言葉で人の人生を振り回した彼らを恨み、それを安易に信じてしまった自らを呪った。だが、今となっては自らを成長させてくれる良い経験であったと思う。あの悔しさと絶望感があったからこそ、新たな夢を見つけることもできたし、「夢」は自らの力で手繰り寄せねばならないことを学んだ。

11月、私の周囲では何人かの人が、新たな道を歩み始める。その中には、夢を追い求めて新たな一歩を踏み出す人もいる。その夢が真に叶うことを何よりも祈っているが、先に厳しい現実が待ち受けていることだってあるかもしれない。そんな時、信頼できる「誰か」に甘える勇気だけは、どこかで持っていてほしい。

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