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出張で約1年ぶりに仙台へ来ている。仙台は私が学生時代4年間を過ごした街。駅前に立つと、数々の思い出とともに「あの頃」の自分が甦ってきて、自然と胸が高鳴ってくる。この街を離れて10年以上もの歳月が経ったというのに、不思議なものだと思う。
初日は東北大学の工学部で大学教授へのインタビューが済んだ後、懐かしの歓楽街へ。鮨屋で大トロだのウニだのイクラだの白子だのを貪り食い、浦霞の吟醸酒を煽るなど贅沢三昧をかましてしまった。思えば学生時代なんぞ、鮨なんて絶対に食べられなかったなぁと思った。
ふと、そんな学生時代が懐かしくなり、昔足繁く通った居酒屋「安楽」へと足を運んだ。こじんまりとした個人経営の店だけに、潰れているのでは…と心配したが、店は健在で、店の佇まいも客層も「あの頃」のままであった。店員のおやじさん、おかみさんも、少々白髪が増えた以外は変わりなし。まるで時間が巻き戻されたかのような感覚に襲われた。
自分勝手で、甘ったれで、人に迷惑をかけるばかりのろくでなしだった学生時代の私。10年以上が過ぎ、少しだけ成長した自分がここでお酒を飲めることが何よりも嬉しかった。
(写真は青葉城址から見た仙台市街)
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