新東京タワー

061127.jpg私の故郷に太神山という山がある。高さはちょうど600メートル。琵琶湖の南にあることから、通称「湖南アルプス」と呼ばれ、ちょっとした登山名所となっている。私も小学生の頃に約3~4時間ほどかけて登頂したことがあるが、頂上から琵琶湖や比叡の山々がはっきりと見え、600メートルという高さを自らの足で登りきったことに大いなる充実感を覚えたものであった。

あまり話題になっていないが、2011年度開業を目標に「新東京タワー」の建設計画が進んでいる。建設場所は墨田区。完成すると高さは610メートルにも及ぶらしい。現在の東京タワーが333メートルであるから、倍近い高さの「化け物」が隅田川のほとりにそびえ立つこととなる。

小さい頃、600メートルの山に汗水垂らして上った私にとって、それを超える高さの建物ができるという事実は、何とも複雑な思いがする。話によると、世界一の高さになるらしい。旧約聖書に出てくるバベルの塔とは、このタワーことか。いささか高い場所が苦手な私は「そんなタワー、誰が上ってやるか!」と、一人「負け犬の遠吠え」をかましている。

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