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嫌われ松子の一生

061213.jpg以前、原作を読んで「面白い!」と思ったことから、ぜひ観てみたいと思い続けていた映画『嫌われ松子の一生』をようやく観ることができた。一般的に、原作を読んで「面白い」と思った作品は、映画化されたものを観ると「つまらない」と感じるケースが多い。私の場合、ジョン・グリシャムの『ペリカン文書』『ザ・ファーム』なんかがその典型例で、観終わった後の失望感は大きいものがあった。

それでも懲りることなく、原作が面白かった作品は、必ず映画も観るようにしてきた。だが、その期待はことごとく裏切られ、「面白い」と思えるものはほとんどなかった。だが今回は違った。原作を読んでいるのに面白い。いや、原作を読んでいるからこそ面白いと心から思えた。こんな経験は初めてのことかもしれない。

原作を読んだあとの映画に失望する理由として、
(1)原作で作り上げられたイメージと実写のイメージが異なる。
(2)長編の原作を無理やり2時間に押し込めているため、シナリオに歪みが生じている。
などが考えられる。『嫌われ松子の一生』も、上記2点からみれば、確かに該当する。なのに面白いと思えたのは、作品をきちんと噛み砕いた上で、原作とは異なる、独立した一つの作品として、作り上げているからなんだろう。

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