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先日、とある大企業の社長さんにインタビューする機会があったのだが、その席でその方がこんなことをおっしゃっていた。「人と話をする上で大切なのは、主観と客観を使い分けること。物事を断定せず、自分の『考え』であることをきちんと伝えることが必要です。」言っておられることは私も日ごろから気をつけていること。だが、これがなかなか難しい。
人間、30年以上も生きてきたら、知らず知らずのうちに他人とは異なる習慣が身につく。それは知識や知恵であったり、生活様式であったり、仕事の進め方であったり様々だが、自らにとって「常識」「当たり前」と思っていることが、他人にとってはそうでないケースは意外と多い。私の場合、メーカーや代理店、出版社、プロダクション、フリーランス等等、様々な人とつきあいがあるので、そうした違いがよく分かる。たとえば、メールの出し方一つとっても、業界や会社によってセオリーが異なったりする。
自らが常識と思っていることが、実は相手にとっては非常識であったりしないか。常に気をつけているのだが、こればかりは実際に実践できているかどうかは疑わしい。大切なのは、自分の「常識」を絶対的なものと信じ込まないこと。そして、常にバランスを取りながら、相手を理解し、歩み寄ろうとする姿勢なんだと思う。