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会社を作ったばかりの頃、軌道に乗せるためにも、ロイヤリティのつく仕事をしたいと考えていた。ロイヤリティとは、言ってみれば印税のように「売上の○%をいただく」というもの、すなわち「寝ていてもお金が入ってくる仕組み」のことである。こう書くと、金の亡者みたく思われそうだが、世の多くの会社は、既得権益が生み出す定期収入をベースに成立する、いわば「農耕民族集団」なのである。豊かな土壌があり、安定した作物が採れるからこそ、多くの人間が寄り集まってくるのだ。
だが最近は発想を転換し、そうした考えを捨てつつある。もちろん、ライターやデザイナーの著作権は断固として守るが、会社としての既得権益は、強硬には主張しないようにしている。多くの人間が自らの権利を主張する中、あえて狩猟民族に徹することが、ある種の戦略とでも言おうか。一つの仕事をしたら、それ相応の対価を得て終わり。そんな建設業的なスタンスをベースにしたいと考えている。
寝ていても金が生み出されるようになると、自ずと利益は上がり、利益があがれば規模を拡大する必要に迫られる。それが会社という組織の仕組みである。その後も鶏が卵を産み続けてくれれば良いが、卵が産まれなくなると、その歯車は狂い出す。卵の処理だけに奔走した人間は知恵と勤勉さを失い、焦った経営者は無理難題を押し付け、非人道的な行為に及んだりする。きっと、多くの会社がこうしたスパイラルに陥り、転落の道を辿っているに違いない。
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by sumi :2007年05月07日 10:32
目から鱗・・・
最近周辺から「農耕民族」的な働き方をしないとだめだ!と言われていたのですが、理屈はわかるけど、自分しては腑に落ちない思いでした。
「狩猟民族」としての働き方を選んでもいいんですよね。なんだか、ほっとしました。ありがとう、佐藤さん!
by satoh :2007年05月07日 21:51
sumiさん、ヘビーな記事にコメントありがとうございます(笑)。
要はどちらが正解でどちらが不正解という話ではなくて、「好き好き」なんじゃないかなと私は思ってます。性に合うほうでいけばいいんじゃないでしょうかね…。ちなみに、私の周囲は、狩猟民族系の人ばかりです。(笑)