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昨今、ライティングの仕事よりも映像制作やWeb制作の仕事が増えつつある。ライターを原点とする私にとっては少々寂しい気持ちもあるのだが、贅沢を言っている場合ではない。とにもかくにも、コンテクストとそのネットワークを信頼し、仕事を打診してくださるのは実に有り難いお話である。
だが、ライティングの仕事と違って、映像やWebは見積書を出すのが難しい。例えば、原稿を書くのであれば、「4000字」と言われれば、その一言だけで大よその額をはじき出すことができる。だが、映像は「10分」と尺だけ伝えられても、それで見積りを出せるわけではない。同じ10分でも環境映像を作るのと、ドラマを作るのとでは、金額にも雲泥の差が出てくるのだ。Webも状況は同じで、「冊子○ページ分くらいのボリューム」と言っても、Flashの有無、デザインレベル、構造などによって、金額は倍以上も変わってくる。
発注する側が「ざっくりとした金額」を知りたい気持ちもよく分かる。だが、こちらとしては「ざっくりとした金額」はなかなか出しにくい。同じ「セダンの自動車」でも、こちらがカローラと思って見積りを出したら、向こうはセルシオだと思っていた…なんてことがあったら、取り返しがつかないからだ。
そんなこんなで、「ざっくり」と言われても、私はいつも細かな見積書を作るようにしている。決して几帳面な性格だからというわけではない。