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朝、会社に向かって歩いていると、向こうから20歳そこそこの若者が全力疾走でこっちに向かって走ってきた。その後ろからは、恐らく30~40歳くらいの、ちょっと強面な男が若者を追いかけてくる。二人は物凄いスピードで私の右を通り過ぎて行ったが、後ろを振り返ると、50メートルほど過ぎたところで、若者が男に取り押さえられていた。
一体何だったのか…と、しばらく事務所に向かって歩いていると、2台の車が狭い道を防ぐ形で止まっていて、別の若者がやはり30~40代くらいの男性に押さえつけられ、何やら押し問答をしていた。まったくもって、何が何だか分からない。若者が何をしたのか、中年の男性はヤクザなのか警察なのか…。しばらく傍観していたのだが、最後まで何なのか分からずじまい。おかげでいつもよ10分ほど遅れて会社に着くことになった。
こんな時、繰り広げられている出来事が何なのか、大よそ検討をつけるために必要なものこそ、人間的な経験値なんだと思う。そういえば以前、王子駅前で若い女性が男のむなぐらを掴んで「私、あんたと離れないからね!」と怒鳴っていたことがあったが、このときも頭の中は「?」だらけだった。きっと、自分には人生的な経験値が不足しているんだろうな…と思う。