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長野に帰省していた本間さんが、土産に塩羊羹を買ってきてくれた。この塩羊羹、戦国時代に今川から塩を断たれ苦しんでいた武田信玄に、惨状を見かねた宿敵・上杉謙信が塩を送ったことを契機として作られた和菓子だという。「敵に塩をおくる」という言葉も、この出来事から生まれた諺らしい。日本人らしい、いい話だなと思う。
早速食してみると、普通の羊羹にほんのりと塩の香りが加わった風味で、なんとも不思議な味わいがする。甘い物に塩をまぶすといっそう甘くなるという話があるが、この塩羊羹はまさにそんな感じ。基本は羊羹となんら変わらず、普通の羊羹が好きな人ならば、「嫌い」という人はまずいないであろう。
そういえば、今から10年ほど前にも上越の方から塩羊羹をもらい、食べたことがあった。その時はもっと塩が強くて「しょっぱい」と感じたような…。でも、同じ塩羊羹なら、そんなに大差はないはず。ひょっとしたら、10歳ほど年を重ねて「しょっぱさ」を感じる味覚…というより「感性」が鈍くなったのかもしれない。
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