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知人が何人か読んでいて「面白い」との話を聞き、文春文庫『裁判長!ここは懲役4年でどうですか』を読んでみた。ライターである北尾トロ氏が約2年にわたって裁判所に足繁く通い、様々な事件の裁判を傍聴した記録を綴ったものだが、裁判の裏側にある人間模様が伝わってきて、なかなか面白いものがあった。
この本を読んで感じたのは、結局のところ、世の中を動かしているのは「仕組み」ではなく「人」なんだということ。書籍には、自分の収入を保持するために裁判を長引かせようとする国選弁護士、傍聴人の多い裁判ではやたらと張り切る裁判官や検察官などの話が出てくるが、理路整然としたシステムで動いているかに見える裁判所が、実は人の心持ち一つで大きく結果が左右される、ファジーな世界なんだということがよく分かる。きっと、こうした話は会社や政治などの世界においても同様で、話し方・伝え方一つで、実現するプロジェクトもあれば、ボツになる政策もあるのだろう。
書籍には、強盗殺人や覚せい剤、詐欺、強姦、窃盗など、実に多様な事件の裁判記録が面白おかしく綴られており、裁判がどんな雰囲気の中で、どのような手順を踏んで行われるかが、とてもよく分かる。裁判員制度が導入される前に、ぜひ一度読んでおきたい本である。
by 招き猫男 :2008年01月21日 21:34
自分も「だーこさん」の影響で読みましたよ。これは
人生の縮図というか、自分の知らない世界が
垣間見られ面白いですね。
ただ裁判員には正直なりたくないなー責任が重過ぎる・・・・。
by satoh :2008年01月23日 00:58
そういえばこの本、招き猫男さんに飲み会の席で見せてもらいましたね!今、思い出しました。かなり酔っていたもんで…(笑)
個人的には、裁判員に「なってみたい」です。でも、裁判所も人選しますからね。たぶん、私みたいな世間的位置づけの難しい人間(?)は、選ばれないでしょう。
by From STL :2008年01月24日 00:20
いいなあ、読んでみたい。こういう時、すぐに欲しい本が手に入らないのが、海外暮らしの不便さだよな・・・。
by satoh :2008年01月24日 11:05
From STLさん、確かに海外ではそんな悩みがあるんでしょうね。今度日本にいらした時は、大量に仕入れて帰られるといいかもしれません。荷物が大変そうですけど…。
by exel :2008年03月07日 20:40
公表されている巷のアンケート結果では、裁判員になりたくない理由として「人をうまく裁く自信がないから」という答えが大半を占めているようですが、それ以前にも多くの問題点があります。
まず、この不景気に裁判のために、仕事をほったらかしにして長期間休んでいたら、クビになります。私の職場のように、一人休みになると、仕事が全く回らなくなる、という職場は多いと思います。
どうしても一般人を参加させたいなら、興味のある人や金と暇を持て余している人にやらせたらどうですか?
まあ、その辺を歩いていても「こんな奴に人を裁かせていいのか?」みたいな感じの人は大勢見かけますけど。
by satoh :2008年03月10日 10:07
exelさん、コメント有難うございます。仰るとおり、裁判員制度は理想と現実のギャップが大きすぎるような気がしないでもありません。
かく言う私も、裁判員を打診されたら「冗談じゃない!会社が潰れる!」と言いたい気分です。