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先日、ライターの大浦さんに参考資料としてお貸ししたビデオが、役目を終えて事務所に戻ってきた。タイトルは『学校ほど楽しいところはない』。板橋区立蓮根第二小学校のビオトープづくりの実践をまとめたドキュメンタリーで、当時校長を務めていた寺田茂さんが、退職金をはたいて制作したものだという。編集したのは、私の知り合いのディレクターである竹田さん。当時の蓮根二小のビオトープづくりにかける熱気が伝わってきて、なかなかおもしろい。
このビデオは、コンテクストにとっての映像制作の「原点」でもある。まだ本づくりしかやっていなかった4年前、「実践のライブ感を映像で伝えたい」と思ったことから、大金をはたいてビデオカメラを購入し、三鷹第四小学校に頼み込んで撮影をさせていただいたのだが、その際の参考資料とさせていただいたのが、このビデオだった。アングル、シーンのつなぎ方、パンのスピードとタイミング、ナレーションの乗せ方など、当時映像のことは何一つ知らなかった私が、このビデオを丁寧に検証・分析し、ほとんど「真似」するような形で、三鷹第四小学校の実践紹介ビデオを制作した。
完成した映像は、『学校経営』(第一法規)の1月号に付録として収録された。制作費は確か15万円。かかった労力や設備投資を考えれば、到底割に合うものではなかったが、この映像はコンテクストにとって映像事業の起点となった。1千万円をゆうに超える映像を手がけている今、このビデオを眺めるとちょっと感慨深いものがある。
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