2009年03月
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

そこに山があるから

080910.jpg世界最高峰の「エベレスト」について、ちょっと面白い話がある。標高8848メートルにもなるこの山に、世界で最初に登頂したのはイギリスの登山隊で、1953年のことであった。しかし、これはあくまで「公式記録」。実はその30年以上も前に、ある登山家が登頂に成功したのではないかと言われている。

登山家の名は、ジョージ・マロリー。今では考えられないほどの軽装備で果敢にもエベレストにアタックをしかけ、そのまま帰らぬ人となった。彼が少なくとも残り300メートルほどの高さまでは登った証拠が残されているが、登頂に成功したか否かは、エベレスト登山史上最大の謎として残されたままとなっている。

しかし、そんなマロリーの遺体が、行方不明から実に70年以上もの年月が経った1999年、アメリカの登山隊によって発見された。ニュースは世界中を駆けめぐったが、最大の注目は彼が持って登ったはずのカメラであった。もし、登頂に成功していれば、彼は必ずその風景を収めているはずである。しかし、彼の所持品にカメラはなく、登頂したか否かは永遠の謎として迷宮入りすることとなった。

しかし、彼が「登頂したら頂上に置いてくる」と話していた妻の写真は、その懐になかった。これを証拠に「彼は登頂に成功した」と唱える者もいる。ちょっとロマンティシズムな発想かもしれないが、私も「そこに山があるから」と名言を遺した彼こそが、人類初のエベレスト登頂者だと思いたい。

2008年09月10日 23:55

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.con-text.co.jp/mt/mt-tb.cgi/863

comment submit

《 配偶者の呼称｜あれから7年 》