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国の整備計画に基づいて建設が進められようとしていた大戸川ダム(滋賀県南部)について、滋賀、京都、大阪、三重の4知事が「中止を要求する」とした共同声明を出した。複数の知事がこうした見解を示すことは非常に珍しく、建設推進は事実上、難しくなったという。こうした現象も、ここ10年来の「脱ダム」の流れの一環であろうか。
ダム建設の目的は淀川水系流域の洪水対策なのだが、実はこの大戸川、私の実家のすぐ近くを流れている。小学校時代は、この川沿いの道を通学し、この川にかかる橋を渡って学校へと行った。中学校の校歌の歌詞には、この川の名前も入っている。幼少の頃は、よくこの川の河原で遊んだものだった。
ダムが建設されると「大鳥居」という地域が水没するのだが、中学時代の同級生に一人、ここから通学している女の子がいた。もう20年以上前の話だが、その頃からダムの話はあり、「○○さんの郷は水の底に沈んでしまうのだ」との話を聞いたことがある。後で調べて分かったのだが、大鳥居地区の人たちは平成10年に移転が完了し、ダムに沈むのを待つ状況になっているのだという。
もし、「ダム建設中止」が正式に決定したとしたら、すでに故郷を失った大鳥居の人たちにとっては、何とも複雑な心境であろう。もちろん、「だから建設すべき」という考えにはまったくもって賛成できないのだが・・・。
【大戸川ダム工事事務所】
http://www.kkr.mlit.go.jp/daido/
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