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久々に宮部みゆき氏の本を読んだ。タイトルは「地下街の雨」。この人の作品は、「火車」「理由」などの長編から短編集の類に至るまで、幅広く読んできたのだが、こんなタイトルの本があることを知らず、近所の本屋で見つけて思わず手にとってしまった。全7作を収めた短編集。調べてみたところ、集英社が出している数少ない宮部作品の一つのようだ。
最初は社会派推理小説であろう・・・と思っていたのだが、最初の1話目こそ少々そんな匂いがあったものの、ほかの6作はまったく趣が異なっていてた。登場する人物こそ、ごく普通のサラリーマンだったりOLだったりするのだが、その身の回りに起きる現象は、どこかSF的というかホラー的というか、科学では説明できないような展開の連続。長らく社会派推理小説=宮部みゆきと思ってきた私にとっては、非常に新鮮だった。
そういえば!宮部氏は社会派推理モノだけでなく、「龍は眠る」などのSFモノ、「幻色江戸ごよみ」などのお江戸モノも書く人だったことをすっかり忘れていた。それにしても、極めて論理的な社会派推理モノとその論理を根底からぶっ飛ばしてしまうSFモノを書き分けるこの人の頭の中って・・・、一体どうなっているんだろうか。
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