日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |
ある仕事で、絵本風のパンフレットを作ることになった。
まだ進行中のプロジェクトであるため詳細は明かせないが、佐藤からディレクションを任されることになり、日々四苦八苦しつつも充実した毎日を送っている。
そもそもパンフレットを「絵本風」にしたいと発案したのは私なのだが、従来弊社で制作している専門書とは、制作の方法論が大きく異なる。そのため、進行の指示を出す上で戸惑う場面も多々あるのだが、自分の中で「創造性に富んだ本を作りたい」という瑞々しい欲望が湧き上がっており、大変刺激的で面白い。
休日、デザイナーの堀野と一緒に上野にある国際子ども図書館に赴き、制作に関して幾つかのヒントを得ることができたので、以下に記したいと思う。
ひとつは、絵本においては「余白」がとても重要な意味を帯びてくるということだ。「間合い」と言い換えてもいいかもしれない。その取り方によって、絵本全体の緊張感やリズム感がまるで違ってくるため、最もセンスの問われる部分ではないかと思う。普段「囲み記事」を書く機会が多く、余白の重要性に関しては全く注意を向けていなかったため、これは大きな収穫であった。
また、文章を書く上での優先順位も違うように思う。実際に何冊かの絵本を読んで感じたのは、「言葉そのものが既に面白い」ということだった。例えば、「もりもり」という言葉。大人は「もりもり」を単独では使わないが、子どもは「もりもり、もりもり、もりもり」と何度でも発音し、楽しむことができる。
ふと、子どもは文章に「有益な情報」を求めているのではなく、「言葉それ自体が持つ質感との出会い」を求めているのではないだろうか、と考える。自分が何かしら抱いてる感情にぴったりな名前を与えてくれる言葉、また言葉の響きによって引き起こされる感情。物語の上で繰り返されるその反復運動が、絵本を難解な専門書よりも味わい深いものにしている気がする。
「わかりやすい文章」とは、言い換えれば「読み手の心に伝わる文章」ということだ。
自分の中にある知識ではなく、自分が経験してきた感覚を信じて言語化することは
なんだかとても難しい。
(澤田)
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.con-text.co.jp/mt/mt-tb.cgi/777